フィリピン滞在記 ドリアン編

スーパーでドリアン選びに悩んでいたら、隣で熱心にドリアンの山を掘ってた白人のおじさんに声をかけられました。「いま君が手にしてるやつは色がダメだな。もっと熟したものを選ぶんだ」
ドリアンを買うのは初めてだと話すと、「私はこれまで数え切れない程ドリアンを食べてきた。最高のドリアンの見分け方を教えてやろう」みたいなことを言ってきたので、「マジで? ありがとう」的な流れに。

「押した時にソフトなものを選びなさい。これはまだ硬い。さあ、押してみなさい。硬いだろう? だが、こっちのドリアンはソフトだ」
「はい」
「次に裂け目から、実の色を見なさい。バナナのように黄色ければOKだ」
おじさん、外皮を割ろうとして、トゲで指から血を流す。
「ソーリー」
「慣れっこだから気にしなくていい。ふむ、これはダメだな。マズいドリアンはこんな風に実が白い」
「なるほど」
その後、二人でいくつものドリアンをチェックし、ようやく色味のよいドリアンに当たる。
「これはいいぞ。匂いもいい。この香りは覚えておきなさい」
「分かりました」
「このドリアンは君にやろう」
「いいんですか?」
「いいとも」
「ありがとうございます。いつが食べ頃でしょう?」
「今日か明日といったところかな。これは美味しいぞ」
エヴァンジェリスト氏と握手を交わし、選んでもらったドリアンを買いました。

事前にルームメイトには「ドリアン買ってくるから」と予告していたので、冷蔵庫でしばらく冷やします。匂いは想像していたほど酷くありません。むしろ「この程度なの?」みたいなレベル。切ったらすぐに劣化が始まり、どんどん臭くマズくなるらしいので、その場ですべて食べるのがいいようです。しかしさすがに一玉を一人では食べきれません。そこでドリアンを食べたことのない6人を呼び寄せました。僕も含めて計7名です。

翌日、しっかり熟したドリアンの分厚い皮を手でぱっくり割ります。ナイフで切るのは風流に欠けると思われました。ぶよっとした果実が出てくるので、指でつまんで食べます。これもまたスプーンで食べるのは風流じゃないように思いました。口に含むと、特有の匂いが香るものの、ほとんど気になりません。食感と味わいは上品なカスタードプリンに近いです。粘性の高いドロッとした果汁が、ねっとり指にからみついて来るので、そのまま舐めます。ただの果物のくせに、なんだか色々とエロい! そういう意味で、確かにドリアンは果物の王様だと思いました。このエロさはちょっと他の果物にはありません。ついでに精力剤としての効果も期待できるようです。

と、このように初ドリアンは悪くありませんでした。目利きのおじさんと、日本で買えばひとつ数千円はくだらないドリアンを、店先でいくつもバリバリ割って選んだだけのことはあります(現地では1キロ200円)。かなりのアタリを引いたはずです。しかし! それでもなお7人中4人はドリアンを受け付けませんでした。食べられなかったメンバーは、「お前らそんなの食えちゃうの? 信じられない…!」という表情をしていました。結果、ドリアンをふつうに食べたのは、僕と銀行員(エロ)と獣医(変人)の3名でした。無理だった4名はいずれも学生だったので、ドリアンは大人の食べ物とも言えそうです。

ドリアンも遺伝子操作すれば、甘い匂いを漂わせることができるんだろうと思います。たぶん皮を薄くしたり、トゲを柔らかくしたりすることも。でも通に言わせたら、「そんなのはドリアンじゃない。それならカスタードプリンでも食ってろ!」ってなりそうな気がします。
ちなみに、けっこうな量のドリアンを食べたんだけど、そのおかげかバスケットの疲労から劇的に回復しました。死ぬほど元気になるという話は本当のようです。あと、食べ過ぎるとリアルに死ぬみたい。

ドリアンを食べてしばらく経ってから、このエントリを書いていますが、ドリアンをごくナチュラルに食べられたことで、僕は今後おそらく食べ物に関する好き嫌いは出てこないんじゃないかと予感しています。よほどの悪食でなければ、たいていのものは普通に食べられると思う。


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