ユーザー投稿型カラオケボックスの登場に期待する

歌いたい曲がほとんど登録されていないため、カラオケボックスから足が遠くなって約10年が経ちました。いまだにカラオケボックスは進化を遂げておらず、時代遅れのスタイル(昭和レベル)で営業されています。

僕のようにカラオケボックスに不満を持っている人たちは少なくないはずです。何しろすべての曲が登録されていない上、誰でも簡単に無条件に曲を登録する手段が用意されていないのです。こんな時代錯誤なシステムが、今日まで生き残っていること自体本当にナゾです。

カラオケボックスに登録されている曲の数は、まったくもって貧弱です。例えば、ボリビアのヒットソングやインドネシアの歌謡曲やベルギーの流行歌を歌おうとしても、アーティストの登録自体がされていません。では国内のミュージシャンではどうか? これもまた貧相です。有名ミュージシャンであっても、すべてのアルバムのすべての曲が登録されているわけではないのです。びっくりです。リミックス曲やマッシュアップ曲は、当然のように登録されていません。無数のかっこいい曲があるというのに! アマチュアミュージシャンの曲なんて論外中の論外です(有名ボカロPの楽曲を除きます)。いやはや、信じられません。何てバカげたシステムなんでしょう。

しかし今でもカラオケボックスで好きな曲を好き放題に歌うことはできます。いわゆる「持ち込みカラオケ」というもので、カラオケ黎明期からあった方法です。日本では2008年頃から急速に普及しました(おそらく初音ミク効果だと思われます)。持ち込みカラオケとは、カラオケ用の動画を保存したPCやiPodやPSPなどの電子機器をカラオケボックスに持ち込み、店の機械と接続し、配線と設定を変更した上で楽しむものです。これはなかなかハードルが高いです。まず機材が必要になりますし、店の了承を得られるとは限りませんし、許可を得られても配線や設定方法は店舗によって異なります。仮にうまく接続できたとしても、一緒にカラオケに行ったメンバーの空気を読む必要があります。けれども、どうしてカラオケの一ユーザーがここまで労力を使わなければならないのでしょう???

今や誰でも手軽にカラオケ用の動画を作成でき、クラウドな環境も整っているのです。たとえばYouTubeのような形式で、カラオケ動画用の投稿サイトを構築し、それをカラオケボックスの機器と連動させることなんて、まったくもって朝飯前のはずです。どうしてカラオケボックスはこのような仕組みを作らないのでしょう。

カラオケ用の動画と楽曲の品質を一定に保ちたいのでしょうか? しかしその考え方は、どうしようもなく時代遅れです。品質云々の前に、ユーザーが歌いたい曲を潜在的にすべて用意できる環境を整えることの方が、この時代においては重要です。もちろん、そのような環境を用意すると──YouTubeにしょうもない動画があふれ、中には違法な動画も混じっているように──、ちょっとした混乱が待ち受けていますが、ユーザーリテラシーの向上と通報システムの整備によって、こういった問題は解決することができます。現に僕たちはそのようにしてYouTubeを楽しんでいますし、ゴミのような情報で溢れかえっているWebも特に問題なく使いこなしています。

とくにかく早いところカラオケ界隈の仕組みは変えてほしいです。さもなくば僕の歌いたい曲(Gravity GirlとかTwilightボウルとか!)は、いつまでたっても歌えないじゃないか!

JASRACがネックになるように思われるかもしれませんが、そもそも現状のカラオケシステムだと先細りする一方です。もしカラオケ人口のマイナスに歯止めをかけたいのであれば、変更するしか手はありません。そしてカラオケ人口が増えることはJASRACにとってもプラスの話なので、ここを説き伏せるのは難しい問題とは思えません。

ちなみに、このカラオケボックスの問題は、Webが登場する以前の出版事情に似ています。Web以前の世界では、個人が気軽に好き勝手パブリッシュする手段が用意されておらず、活字による発信は大きく制限されていました。活字化されるものはごく限られていて、その代わり活字化されたもののクオリティは出版社の手によって保たれていました。今のカラオケボックスの配信システムはこの状況によく似ています。そう、ちょうど1994年以前の世界のように。でも今は2012年です!

※授業でのプレゼンネタ。わりと好評だった(聴衆3名でしたが)ので、ブログに載せてみました。


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