自動車の値段はロマン

※授業でのプレゼンネタ。「オートパイロット機構をそなえた自動車が普及したら、人力車(人間が運転するタイプの車)に対する評価は交通機関レベルまで下がるだろう」という考えに基づいて書いた対話型のものです。先生が運転免許を持っていない上、電車に乗ったことがない人だったので、ニュアンスが伝わったかは分かりません…。


客「この50万円の自動車と5000万円の車について知りたいんですが」
店「はい」
客「5000万円の車にはドライバーが付いてくるんですか?」
店「いいえ? 付いてきませんよ」
客「とすると、自分で運転しなければなりませんね」
店「それが何か問題でしょうか」
客「ひょっとしてあなたは運転が好きなのですか?」
店「ええ、運転は楽しいものです」
客「では、運転が好きなあなたはなぜタクシー運転手ではないのですか?」
店「そこまで運転が好きというわけではないです」
客「私はまったく運転が好きではないのです。あなたがタクシー運転手ではないのと同じように」
店「はぁ、そうですか」
客「この50万円の車で人を轢いたら罰せられると思いますが、5000万の車なら大丈夫ですよね?」
店「いいえ、そんなことはありません」
客「よく分かりませんね。では制限時速が60キロのところを600キロで走ることもできないのですか?」
店「もちろんできませんよ」
客「では一体この価格差は何ですか?」
店「ひとつには加速が違います」
客「ああ、そういうことですか。あなたは電車にこだわるタイプですか?」
店「??? いいえ」
客「しかし加速の違いを重んじるんですよね。京王線はなかなかいいですよ」
店「わたしは中央沿線に住んでいます」
客「特急駅ですか?」
店「いいえ、各停です」
客「信じられませんね。あなたには加速が云々を話せる資格はありませんよ」
店「車の話をしているのです」
客「電車も車の一種ですよ。ところで5000万円の車と50万円の車の違いはメーカーですか?」
店「はい。5000万円はイタリア製で、50万円はインド製です」
客「同じ船会社の同じ航路で、日立製と川崎製の船では、運賃に違いはありますか?」
店「??? いいえ、同じだと思います」
客「変な話ですね。しかしインドとイタリアの車では違うんですか」
店「乗り心地がちがいます」
客「中央線のあなたに乗り心地を話されても説得力がないですね」
店「あなたはなぜ自動車を他の交通機関と比較したがるのですか」
客「自動車は交通機関ではないのですか?」
店「自動車にはロマンがあります」
客「ああ、あなたは乗り鉄でしたか」
店「いいえ、そんな連中と同じにしないでください」
客「ふつう交通機関にロマンは求めないですよ。ただの移動手段じゃないですか」
店「あなたは車を馬鹿にしているのですか」
客「あなたは電車を馬鹿にしていいますが、私は車を馬鹿にしていませんよ」
店「そんなことはありません」
客「そうですか。とりあえずロマンに4950万円を払う意味は分かりませんね」


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