今敏作品この三本!

今作品はおもしろい!

今監督の手による『PERFECT BLUE』、『妄想代理人』、『千年女優』、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』など、どれも尋常ではないクオリティに仕上がっていて、甲乙つけがたい面白さですが、あえて入門用に三本を選ぶとしたら、『千年女優』、『PERFECT BLUE』、『パプリカ』です。何しろ今作品の特徴といえば、その異常に作りこまれたメタフィクショナルなストーリー構造です。中でもこの三本は突出しています。連続して一気に鑑賞すると、あまりに強烈すぎる映像体験で、日常生活に支障が出るほどのデキです。ご注意を。
 

 

 

千年女優

誰が何と言うと、今作品の最高傑作です。エンターテインメントに徹底していて、なおかつ遊びゴコロもふんだんに散りばめられていて、もちろん破綻なんてドコにもなく、時空と次元をフルスピードで駆け抜ける千代子のパワーにただただ圧倒されます。好き嫌いが分かれる作品とされますが、とにかくアタマをカラッポにして、底抜けに無邪気な千代子を受け入れてみましょう。ガラリと作品の印象が変わるはずです。だって実生活では、こんな風に生きることなんて無理じゃないですか。まあ、無理は言いすぎにしても、徹しきれません。それを千代子はおとなげなくも、軽やかにやってのけます。彼女はほとんど奇蹟のような存在で、だからこの映像世界はアニメーションでしか実現できなかったものだとも言えます。
 

 

PERFECT BLUE

プロットのぶっとびさ加減が、今作品の中でも突出しています。脚本家 村井さだゆき氏と一緒になって「暴走」した超一級品のストーリー展開から一瞬たりとも目を離せません。IT革命という単語が登場する前に作られた映画ですが、どうしてどうして「現代」の様相がそのままパッケージングされています。ネットストーキングにサイコホラーなどといったキーワードから、色眼鏡をかけて見てしまいがちかもしれませんが、シンプルに娯楽作品として楽しんだ方が絶対にオトクです。オンとオフが、現実と妄想が、暴力的にミックスされていくさまは圧巻のひとこと。当時渋谷パルコで見ましたが、上映後しばらくは観客が立ち上がれなかったのを思い出します。
 

 

パプリカ

筒井康隆原作の『パプリカ』を、より肉感的にチャーミングに描いた作品です。チェーンスモーキングよろしく、ドラッギーな映像が連続します。実写化はまず不可能でしょう。映像体験としてのアニメーションの、ひとつの頂点を極めた作品とも言えます。そもそも荒唐無稽な構造をしている夢ですが、さらにその夢の中に介入するという、二重の荒唐無稽さを原作がやりたい放題にやっていて(筒井先生だから仕方ないですよね!)、個人的に見る前は多少の不安がありましたが、べらぼうに適切な映像言語に翻訳されています。考えてみたら、この小説を映像化できてるだけでも十分に恐ろしいことです。しかし見る側はそんな七面倒くさいことは考えずに、魔術的なロジックで美しく変容する夢を楽しめばオッケーなのでした。
 

 

Satoshi Kon didn’t die. He just went to the moon

今敏監督の派生動画をいくつか。上から順に、『パプリカ』のOP「白虎野の娘」を音と映像でリミックスしたもの、『妄想代理人』のOPをアイドルマスターのキャラクタで絶妙に置き換えた動画、最後のひとつは愛ある追悼動画です。

パプリカOP club mix(long)

アイドルマスター 偶像代理人 第00話

カントクありがとう


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