【このマンガがワールドクラス】東海レトロスペクティブ

東海レトロスペクティブ

考古学に興味を持ったことはありますか? 僕は無いです。せいぜい「考古学でメシが食えたら気楽そうでいいなあ」なんて考えたことがあるくらい。

さて、『東海レトロスペクティブ』は考古学をテーマにしたマンガです。正直、考古学に興味のない僕にはハードルが高い。しかしこのマンガ、そんな僕にすら、「なるほど!」と言わしめる説得力でもって、考古学が持つ魅力の核心を描きます。

そんなわけで考古学にまったく興味がない人でも安心して手に取ってもらって大丈夫です。

物語のあらすじはこうです。主人公の実家は宿泊施設(東海研修センターの管理人)をやっていて、そこへ考古学の大学ゼミ生たちが訪れます。高校2年生の主人公は一般人なので、当然のように考古学に興味なしです。けれども、ゼミ生のひとり奈良橋クンの説得もあり、彼らの発掘作業を手伝うことになります。

ところで、どう考えても考古学は地味で地道で落ち着いたガクモンなので、奈良橋クンの考古学への尋常ならざるパッションは、なかなか理解できません。何が彼女をそこまで考古学へ駆り立てているのでしょうか?

あ、そうそう。主人公の名前は飛鳥で、考古学的にネタにされたりしました。

考古学の魅力を伝えることは、とても難しいです。教科書的な説明や、借り物のコトバなどでは、その魅力を誰かに伝えることは不可能です。現に、そのような言説で考古学はくどいほど語られてきましたが、果たして考古学に目覚めた人はあなたの周りにいたでしょうか? おそらくゼロだったと思います。憑かれたように考古学を語る友達っていませんよね?

かように魅力を伝えにくい考古学ですが、作者は生々しいリアリティでもって、その核心を読者に示してみせます。そのアプローチは、まさしく遺物を掘り出す考古学者さながらで、ゆっくり丁寧とした手つきで、周囲の「土砂」をとりのぞき、そっと取り出してみせるのでした。

そして何事もなかったかのように、掘り出したところにまた「土砂」を戻し、物語を終えます。

ちなみに発掘現場において、上記のような発言はご法度のようでした。

 


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