中国製iPhoneの衝撃

iPhoneのヒットで一番トクしたのは中国

アップルもそれなりにトクしましたが、ブランド力に限って見ると、中国の製造業が一番トクしたと思われます。仮にiPhoneのヒットでアップルのブランド力が85から90に上昇したとして、中国の製造面でのブランド力は50から75に急上昇していて、アップルのそれを大きくアウトパフォームしています(※ここでの数字はイメージです)。

それまでベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどと同列に扱われていた中国製品のブランド力は、一気にこのグループを引き離しました。何しろ「世界で一番クールな商品」とされるiPhoneを、低コストで大量に、しかも不良品を出さずに作れることを、まんまと実証してみせたたからです。

これで「中国製=粗悪品」という図式は崩れました(崩れていないと言うなら、iPhoneも粗悪品になります)。さらには「中国製=クールな商品」というイメージを、iPhoneを通して世界中に発信しているのです。かつてソニーのウォークマンが、「日本製=クールな商品」というイメージを世界中に広めたように。これは中国にとって大きなメリットである一方、製造業を生業としている国々には脅威です。

 

※西新宿の京王プラザホテル前の電柱(写真)。以前はあまり見られなかった風俗ビラが、最近になって増えました。この辺は羽振りのよさそうな中国人観光客がよく通るので、目鼻のきく人たちが早速行動に出ているようです。
 

 

中国製iPhoneの衝撃

この点の危機感が国内では感じられないので書いておくと、日本の携帯メーカーのiPhoneへの敗北は、日本製が中国製に負けたことでもあるんですよ。いやマジで。アップルがすごいから仕方ない、みたいな風潮ばかりが目立ちますが、製造している中国の方こそ目を向けないとヤバいです。

なぜなら、iPhoneレベルの製品を作れてしまうのですから、日本が得意としてきた精密機器、高付加価値商品の製造面における優位性は、中国に対して無効になった。それどころかコスト面では太刀打ちできそうにありません。こう書けば、コトの重大さが伝わるでしょうか。

けれどひょっとすると、製造業のリアクションの薄さを見るに、すでに心が折れていて、危機感も何もないのかもしれません。国内産業の空洞化を代弁するように、製造業の利益はここのところずっと右肩下がりです。

※iPodの段階で中国は勝利していたとも言えますが、携帯電話マーケットでiPhoneが既存の大手メーカーを打ち破っていったようなインパクトに欠けています。
 
 
 

 

余談:「ガラケー」という呼び方について

iPhoneのヒット後、国内の携帯電話をガラケーと貶める発言が目につくようになりましたが、それならi-modeが登場した時点でそう呼ぶべきでした。あのワケ分かんないオモチャが出た時にクソミソに叩いて、グローバルな路線に向けさせるべきでした。それを今頃になってガラケーとレッテル貼りするのはヘンです。最初の段階でこうなるのは分かっていたので。

そして十年以上も喜々としてガラケー使い、さまざまな要求の果てに現在のガラパゴス仕様にしておきながら、いきなりてのひらを返してこき下ろすのは、ちょっとヒドいです。だったらどうして当時iPhoneより先行していたシャープやソニーの製品とかに注目しなかったんでしょう。そっちを支持してたら、きっとiPhoneの登場を待つまでもなかったですし、今ごろはiPhoneよりも断然便利で快適なケータイを持てていたはずです。
 
 
 

余談2:製造業でも素材と部品は強いと言うけれど…

地方での電波状況が悪いソフトバンクがiPhoneの販売を手がけたことは、国内メーカー各社にとって幸運でした。もし他のキャリアが販売していたら、iPhoneはもっと売れていたはずで、ガラケーメーカーはより致命的なダメージを受けたに違いないからです。そして「電子機器と素材の分野ではまだまだ戦える」と今は言っていられるメーカーにも、皺寄せが来ていた可能性があります。


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