母乳から放射性物質が検出されたので、傾向と対策をまとめました

※筆者は医療関係者ではありませんので、各リンク先のソースを確認の上、ご自身で情報の信憑性を判断してください。
 

 
4月20日の報道で、福島など四県での母乳検査において放射性ヨウ素が検出されました(9人中4人から)。
ソース → 母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査-福島

福島など4県の女性9人の母乳検査で、茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。

 
 
放射性物質を含んだ食品をたべた場合、放射性物質は身体に蓄積されるか体外に排出されるかのどちらかであるので、これは予想された事態ですが、やはり現実に母乳から放射性物質が検出されるとショックを受けてしまいます。ちなみに放射性ヨウ素の場合ですと、摂取した約四分の一が母乳に移行するとのことです。
ソース → 原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について 原子力安全委員会

授乳婦が摂取したヨウ素の約四分の一は、母乳へ移行するといわれている(13ページ目)

 
 
そこで食べ物に注意したいわけですが、ドイツ放射線防護協会によりますと、以下のような提言がなされています。
ソース → 日本における放射線リスク最小化のための提言 ドイツ放射線防護協会

乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり 4 ベクレル以上のセシウム 137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり 8Bq 以上のセシウム 137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。


 
 
しかし現実の日本においては、暫定基準値を大幅に引き上げたりしています。飲料水は放射性ヨウ素で300Bq/Kgまで大丈夫になりました。
ソース → 放射能汚染された食品の取り扱いについて 厚生労働省医薬食品局食品安全部
 
 
さらにひどいことにこの暫定基準値は、一生摂取し続けた場合の数値ではありません(当初はそのように説明されていました)。けれども実際は放射性物質が次第に減少することを前提とした一時的なものであったことが明らかにされました。
ソース → “暫定基準 説明が不十分”(※NHKのサイトから削除されていたためウェブ魚拓へのリンク)

政府は「一生食べ続けるのでなければ健康に影響が生じない低い値」と説明し、この基準が一生食べ続けた場合の数値を示しているとしてきました。しかし、この暫定基準の基となった指標を作成した原子力安全委員会ワーキンググループの元委員、須賀新一さんは、あくまで放射性物質が一度だけ放出されて、次第に減少していくことを前提とした一時的な指標であることを明らかにしました。特に人体への影響が大きいとされる放射性ヨウ素については、基準の上限の値で長期間取り続けると想定している被ばく量を超えるおそれがあると指摘しています。

 
 
また、例外的なことかもしれませんが、北千葉浄水場で一般規制値を超えるヨウ素が検出されたのに、その発表が1週間遅れたこともありました(3月22日に採取された水の結果が3月29日に発表)。この場合はつまり、安全だと思って飲んでいた水が、実は危険だったと後から知らされたわけです。
ソース → 千葉の水道水、22日に一般規制値超えるヨウ素
 
 
加えて、放射性物質が検出された野菜であっても、3回連続で基準以下であったら出荷停止の解除が検討されました。
ソース → 3回連続基準以下で出荷停止解除 放射性物質検出の野菜
 
 
そして実際に、基準を満たせば出荷停止が解除されるようになりました。野菜だけでなく原乳に対しても(出荷制限が解除された品目の詳細は、各都道府県の公式ホームページで確認できます)。
ソース → 野菜版 農家「綱渡り続く」 野菜出荷停止解除でも晴れぬ表情
ソース → 原乳版 福島県内の25市町村で原乳の出荷停止解除 酪農家には安堵(あんど)の表情広がる
 
 
出荷制限が解除されてしまうと、とたんに食品関連の情報が入らなくなってしまいますが、下記サイトで全国の食品の放射能調査データを確認できますので(食材別にリンクが設定されています)、詳細を追いたい方はご参照ください。
全国の食品の放射能調査データ
 
 
さて、以上で現在までの食品流通の傾向と、どのような食べ物を摂取すべきかの目安は大まかに把握できたかと思います。続いて、どのように食品を安全に調理し、かつ放射性物質の摂取をなるべく減らすか、という点にうつります。
参考にしたのは、ベラルーシのネステレンコ教授による「チェルノブイリ地区の放射性物質からの開放」と、ベラルーシ在住の日本人女性による「ベラルーシの部屋ブログ 放射能関連情報」です(ネステレンコ教授は前回のエントリでNHKの番組から発言を書き起こした人物。ベラルーシ在住の方は、ネステレンコ教授や熊取六人衆として有名な京都大学の今中先生とも交流のある人物です)。
 
 

基礎知識
■放射性物質に特に気をつける必要があるのは、乳児から成長期の子どもたち(チェルノブイリ原発事故時に中学生くらいの女性が、成人した後に出産した際、病気や障がいのある子どもが多く生まれた)
■BELRAD研究所における子どもの内部被爆では、体重1キロあたり20ベクレル以下を安全な基準としている(大人の場合、50Bq/Kg以下)
■セシウム137が子どもの体内に50Bq/Kgの水準で蓄積されると、器官や臓器に病的変化をもたらす(心血管系、神経系、内分泌系、免疫系などや、腎臓、肝臓、眼など)
■体内へのセシウム137の蓄積は、94%は食品から、5%は飲料から、1%は呼吸からからであった
■ベラルーシの畑は春になると放射能値が高くなる(積もっていた放射能性物質が、耕作により舞い上がるため)
■BELRAD研究所は過去の32万7千人以上の子どもたちに対する活動から、セシウム137の摂取コントロールによる被曝予防と健康管理に有効性を見た
■年間を通じて10万人規模のチェルノブイリ被害の子どもたちが他国(ベラルーシではない)で治療を受けている
■チェルノブイリから22年経過して分かったことは、汚染地区における人の放射線量の限界は1mSv/年であるというものだ(地域内で汚染された生産物をどうしても摂取せざるを得ないため)

食品知識その1
■セシウムは動物の内臓(肝臓や腎臓など)にたまりやすい
■ストロンチウムは硬骨部分にたまりやすいので骨を出汁にしたスープは飲まないほうがいい
■キノコの笠の部分に放射能性物質がたくさんついていることが多い
■キャベツは表面の葉を3~4枚ほど捨てる
■ニンジンなどの根菜類は地上部分に出ている茎や葉を取り除く
■ジャガイモのくぼみには放射能性物質がたまりやすい
■マメ類、特に大豆が大量に放射能を吸収する
■牛乳が含む放射能は高いが、バターやチーズにはほとんど残らない
■ベラルーシに海はないが川や湖は汚染され、水底に棲息する魚は汚染度が高かった

食品知識その2
■ペクチンや食物繊維、アルギン酸ナトリウムは、体内に入った放射性物質の排出を促進する
(アルギン酸ナトリウムはストロンチウムとカルシウムの結合を防ぐ)
■フラノボイドおよびビタミンA、C、Eは、細胞内に放射能が入り込むのを防ぐ
■必須アミノ酸は、セシウムやストロンチウムの体内蓄積量を減らす
■普段からカリウムをよく摂取していれば、セシウムが入る余地がなくなり、そのまま排出されやすくなる
■普段からカルシウムをよく摂取していれば、ストロンチウムが入る余地がなくなり、そのまま排出されやすくなる
■三価の鉄はプルトニウムの取り込みを抑える
■上記成分が多く含まれる食品をなるべく摂るようにし、かつ規則正しくバランスのよい食生活をする

 
個人的に重要と思われる箇所のみを箇条書きにしたので、詳細を知りたい方はソースで確認してください。
→ ソース チェルノブイリ地区の放射性物質からの開放 
→ ソース ベラルーシの部屋ブログ
 
 
ちなみに最後になりますが、首相官邸ホームページには、にわかには理解しがたい記事が掲載されています。わが身は自分で守るしかないようです。
→ ソース チェルノブイリ事故との比較

チェルノブイリでは、24万人の被ばく線量は平均100ミリシーベルトで、健康に影響はなかった。
(中略)
福島の周辺住民の現在の被ばく線量は、20ミリシーベルト以下になっているので、放射線の影響は起こらない。


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